海外赴任で子供の英語はどうなる?現地校に通った4人の体験と渡航前の準備

海外赴任で子供の英語はどうなる?現地校に通った4人の体験と渡航前の準備

これから海外赴任に帯同予定のママたちにとって現地校は未知なる世界。

お子さんを通わせるとなると、あれこれ心配ごとがチラつくことでしょう。

「うちの子、英語なんて教えたことないけど大丈夫?」
「先生の話はちゃんとわかるのかしら?」
「授業についていけなかったら・・・」
「お友達が出来るといいんだけど・・・」

そんなママたちの不安に応えるべく、今回はアメリカの現地校の英語事情について駐在中のママたちにヒアリングしてみました。

小学校低学年から中学校まで、それぞれのリアルなケースを実例でご紹介します。4人ともアメリカ・カリフォルニア州の現地校の例です。

現地校で子どもの英語はどのくらいで慣れる?

4人の体験をまとめると、次のようになります(4人ともアメリカ・カリフォルニア州の公立校の例です)。年齢が上がるほど、授業についていくのも友達づくりも時間がかかる傾向がありました。ただ、慣れるまでの早さは、性格や英語の経験、まわりの環境によっても違います。

渡米したとき慣れるまで・ESL助けになったこと
2歳(日本語のみ)プリスクールですぐ慣れたサマーキャンプ
6歳・キンダー(日本でインター)英語は問題なし。友達づくりに時間習い事・プレイデート
8歳・2年生(英語ほぼゼロ)1年目は苦労。ESLを一度抜け、また入ったESL(週3回)
11歳・5年生(英語ほぼゼロ)3年目にESLを抜けたサッカーのチーム

現地校で英語が伸びない・苦労したのはどんなとき?

4人のお母さんの話から、英語がなかなか伸びないと感じたのは、次のようなときでした。

伸びにくいとき4人の家族がしたこと
同じ学年に日本人が多く、日本語で話してしまう習い事やスポーツで、現地の友達と過ごす時間を作った
話せるようになっても、書く力(writing)が追いつかないESLにもう一度入って、書く力をのばした
上の学年で渡米し、授業の内容がむずかしいESLや英語サポートのクラスを数年かけて続けた
シャイで友達ができにくい親がプレイデートを用意し、学校の外でも一緒に遊べるようにした

「話す」「聞く」は早く慣れても、「読む」「書く」は時間がかかることがあります。英語の伸び方が心配なときは、ひとりで悩まずに、担任の先生や ESL の先生に相談しましょう。面談で使う英語は「保護者面談は英語で?インター・現地校の個人面談で使える英語と質問リスト」、メールで聞くときは「学校の先生へ英語でメール」で紹介しています。

習い事やスポーツは、英語を使う時間と友達を増やすきっかけになります。探し方や申込み方は「アメリカのアフタースクールとは?学童との違い・申込み方と習い事の探し方」をご覧ください。

6歳までに渡米した子は?

まずは、未就学児から小学校低学年編を見ていきましょう。

2歳で渡米した女の子のケース(インタビュー当時7歳)

日本で保育園に通っていたこの女の子は、渡米当時はまだ日本語もおぼつかない時期。

英語は週に1回、図書館のストーリータイムで歌や手遊びなどに慣れ親しむ程度でした。

それ以外は、両親とも日本人、一緒に遊ぶ友達も日本人。

ほぼ日本語のみの生活環境で4歳まで過ごします。

4歳になる直前、サマーキャンプで英語オンリー環境を初体験し、2-3日は泣きながらのセパレーションでしたが、すぐに慣れ、秋から現地のプリスクールに通い始めました。

ガールスカウトのキャンプガイドとYMCAのサマーキャンプのパンフレット
夏休みが近づくと、ガールスカウトや YMCA などのサマーキャンプのパンフレットが届きます。英語だけの環境に少しずつ慣れるきっかけにもなります。申込みは春ごろから始まることが多いので、早めに見ておきましょう(写真の子どもの顔はぼかしています)

ママは英語のハンデを心配しましたが、この子は元来おしゃべり好きですぐに学校にも慣れ、心配は杞憂に終わりました。

その後、5歳でキンダーガーテン、小学1年生になったインタビュー当時も、本人もママも英語面で不安を感じたことはなく、ライティングやリーディングはアメリカ生まれのネイティブの子たちに引けをとらないくらい得意科目だそう。

インタビュー当時はガールスカウトにも参加し、すっかり現地校に溶け込んで毎日楽しく学校生活を送っています。

誰とでも仲良く遊べるこの子の性格的なものもあるでしょうが、キンダーガーテン前に渡米した小さい子は、英語の吸収力も友達づくりも早いことが多いようです。

親の心配をよそにいつの間にか現地の英語環境に順応出来てしまうケースが多いようです。

6歳で渡米した女の子のケース(インタビュー当時8歳)

渡米時、現地校のキンダーガーテンに入学したこの女の子は、日本ではインターナショナルスクールに通っていました。

そのおかげで、読み書き、会話共にそれほど問題なくスムーズに現地校での生活をスタート。

具体的な駐在予定はなかったものの、希望を出し続けていたご主人の考えで、日本にいるうちから英語環境に慣れていたことが功を奏した好例です。

それでも少しシャイなこの子が苦労したのは友達づくり。

語学はついていけても、仲の良いお友達が出来るまでに時間がかかったそうです。

ママは娘がやりたいという習い事は出来るだけやらせることにし、ダンスやコーラス、バイオリンやピアノなど様々な活動に参加して行動範囲を広げます。

同時にママは、アフタースクールや休みの日に、娘が遊びたがっているお友達の親に連絡して“プレイデート”に誘い、お互いの家や公園で遊ぶセッティングもしました。

いつもはクラスでしか会わない子と、学校の外で遊ぶだけで嬉しいもの。

子供たちのテンションも自ずと上がります!

プレイデートでは、子供同士の距離がぐっと近づくだけでなく、連絡を取り合うママ同士も親しくなれるチャンス。

お子さんが「あの子とプレイデートしたい!」と言ったら、その子の親の連絡先を聞き出し、アレンジしてあげると良いでしょう。誘い方や返事の英語は「プレイデートとは?意味と誘い方・返事の英語」で紹介しています。

このように学校以外の場所でも、親が出来る限りのサポートをしてあげることも、この年齢の子供たちが楽しく学校生活を送る上では重要なポイント。

子供と二人三脚でがんばりましょう!

8歳以上で渡米した子は?

比較的スムーズに英語環境に馴染める未就学児や低学年と違い、小学校の途中から入ると、日本からきた子供たちの多くはESL(English as a Second Language)など、英語を母国語としない子供たちのためのプログラムに参加するようになります。

アメリカの公立学校では、英語の力を見るテストを受けて、必要と判断されると ESL などの英語のサポートを受けられます。形や時間は学区・学校によって違います。入学のときの流れは「英語が話せなくても入学できる?」で紹介しています。

こちらでは小学生と中学生、2人の男の子のケースを見ていきましょう。

小学2年(8歳)で渡米した男の子のケース(インタビュー当時4年生)

インタビュー当時小学4年生のこの男の子は、渡米当時、英語学習経験はほぼゼロの状態で現地校の2年生になりました。

普通授業の途中で抜けて、週に3回ESL(English as a Second Language)カリキュラムに通うことになり、特に初年度はとても苦労したそうです。

3年生になるとだいぶ慣れてきて、一度はESLから抜けますが、ライティングが弱みで、4年生では再びESLカリキュラムを受け始めたとのこと。

このようにESL対象の生徒は、定期的にテストを受け、会話、読み、書き、理解力など項目毎に英語力をチェックします。カリフォルニア州では、毎年 ELPAC という英語のテストがあります。

この子の通う学校は日本人が多く住むエリアにあり、同じように学年の途中で来た日本人の子供たちが固まって日本語で会話をしてしまうこともしばしばだと、お母さんが話してくれました。

クラスに1-2人ならまだしも、複数人いるクラスに当たってしまうと英語がなかなか伸びないという悩みも。

限られた駐在期間中に我が子の英語力を出来るだけ伸ばしてあげたいと願うなら、日本人が多い学校かそうでないか、事前に確認しておく必要もありそうですね。

小学5年(11歳)で渡米した男の子のケース(インタビュー当時13歳)

この男の子は、日本では小学6年生の年に渡米し、現地校では5年生に入りました(学年は誕生日と学区の決まりで決まります)。

日本では通信教育で英語を学ぶも、ほとんど出来ない状態でこちらにやって来たというから苦労は計り知れません。

普通授業が始まる前や途中でESLカリキュラムに参加し、2年目にはESLから抜けてLanguage Support Classという別クラスに移り、3年目にようやく完全にESLから抜けたそうです。

この子の通う中学校ではESLだけで1クラスあるほどで、年次が上がるほど、英語が母国語でない子供たちは大変な努力を強いられます。

お母さんはサッカーに救われたと言います。

最初は英語もできず学校に行くのを嫌がっていたのが、レベルの高い日本のサッカーチームで鍛えられた息子さんは次第に現地のチームでも活躍するようになり、一目置かれる存在に!

サッカーを通じて友達が出来、英語力が伸び、自信を取り戻していったそうです。

心を通わせるのに、国や言葉を超えるスポーツの力はやはり偉大ですね!

中学生になると、各小学校がまとめられて市内に中学校は一つ、というケースもこの家族が住む地域では多いため、どうしても日本人同士で固まってしまいがち。

お母さんは、「日本人だけで固まって過ごすようになると、中学に行ってもなかなか英語が伸びないという悩みを聞く」と話していました。

それでも、サッカーを通じて現地の友達がたくさんいるこの子は日本人グループにだけ、どっぷり染まる心配はないので英語面においては親御さんも安心でしょう。

海外赴任前に子どもの英語はどう準備する?渡航後にできることは?

4人の体験とお母さんたちの話から、親ができることをまとめました。

渡航前にできること

・住む予定の学区に、どんな英語のサポート(ESL など)があるかを学区のサイトで確かめる(形は州や学区によって違います)
・日本人が多く住むエリアのよいところ(情報が多い・安心)と、気をつけたいところ(日本語で固まりやすい)を考えて、家と学校を選ぶ
・「トイレに行きたい」「わからない」など、学校で困らないための短い英語を、子どもと一緒に練習する(この記事の最後に一覧があります)
・低学年までなら、図書館のストーリータイムやサマーキャンプなどで、英語の場に少し慣れておく

学区の調べ方や入学の手続きは「アメリカ現地校の入学手続き」で紹介しています。

渡航後にできること

・心配なことは早めに担任や ESL の先生に相談する
・習い事やスポーツ、プレイデートで、学校の外でも現地の友達と過ごす時間を作る
・日本語の力も続けられるように、家での日本語や補習校などを考えておく

日本語の学び方は「海外赴任の子どもの日本語の勉強は?日本人学校・補習校の違いと体験談」で紹介しています。

子供の年齢や性格・状況にあわせて、親としてできる英語準備を

アメリカ現地校の英語事情は州によっても、学校によっても異なりますが、一般的には、年齢が上がれば上がるほど、授業についていくのも友達作りもハードルが上がるものです。

それでも、今回、駐在中のママたちが話してくれたように、4人とも、時間はかかっても親子で奮闘しながら学校生活に慣れていきました。悲観する必要はありませんよ!

むしろ、ある日突然、異文化に放り込まれ、子供なりに一生懸命に努力し、順応し、乗り越えた自信は帰国後も、その後の長い人生でもきっと大きな糧となることでしょう。

今回は、カリフォルニア州を例にご紹介しましたが、学習指導要領は州によって異なるのがアメリカです。ESLの有無やプログラムの詳細については事前にディストリクトオフィスや学校に確認をしておくことをおすすめします。

また、住居選びは日本人が多く住むエリアならではのメリット、デメリットも念頭において考えましょう。

子供の年齢や状況によって、準備が必要かそうでないか、親としてどんなことをしてあげられるのか、英語と友達づくりのハードルを乗り越え、お子さんがアメリカで楽しい学校生活を送れるよう応援してあげたいですね!

学校で困らないための英語は?

英語がまだ話せなくても、「トイレ」「わからない」「手伝って」が言えると、学校で困ることがぐっと減ります。渡航前に、親子で声に出して練習しておきましょう。

子どもが先生に言う英語

言いたいこと英語
トイレに行ってもいいですか?May I go to the bathroom?
わかりません。I don’t understand.
もう一度言ってください。Can you say that again, please?
手伝ってください。Can you help me, please?
気分が悪いです。I don’t feel good.
保健室に行ってもいいですか?Can I go to the nurse?

子どもが友達に言う英語

言いたいこと英語
いっしょに遊んでもいい?Can I play with you?
ぼく(わたし)の番だよ!My turn!
ここに座ってもいい?Can I sit here?
また明日ね!See you tomorrow!

親が先生に伝える・聞く英語

言いたいこと英語
うちの子は英語が初めてです。My child is new to English.
(娘は)少し人見知りです。She is a little shy.
授業ではどんな様子ですか?How is she doing in class?
ESL のサポートを受けていますか?Is he getting ESL support?
家でできることはありますか?What can we do at home?

先生がよく言う英語(Line up. など)や、自分のことを伝える英語、渡航前・渡航後のチェックリストは、追加ページ「子どもが学校で使うはじめての英語」にまとめています。

よくある質問

Q. 海外赴任についていく子どもの英語は、どのくらいで慣れますか?

A. 子どもの年齢や性格、英語の経験によって違います。この記事の4人では、6歳までに渡米した2人は早く慣れ、8歳以上で渡米した2人は英語に慣れるまでに2〜3年かかりました。

Q. 何歳までなら英語に慣れやすいですか?

A. 何歳まで、とは言い切れませんが、この記事の4人では、キンダーガーテンより前に渡米した子ほど、英語にも友達づくりにも早く慣れていました。上の学年で渡米した子も、ESL などのサポートを受けながら数年かけて慣れていきました。

Q. ESLはどのくらいで抜けられますか?

A. 子どもや学校によって違います。この記事で11歳で渡米した男の子は3年目に ESL を抜けました。8歳で渡米した男の子は一度抜けたあと、書く力のためにもう一度 ESL に入りました。

Q. 英語が心配なので、学年を下げることはできますか?

A. 学年は年齢で決まることが多く、下げられるかどうかは学区や学校によって違います。詳しくは「学年を1つ下げることはできる?」をご覧ください。

Q. 日本人が多い学校は避けたほうがいいですか?

A. 日本人が多いと情報が得やすく、子どもも安心しやすい一方で、日本語で固まってしまい英語が伸びにくいこともあります。どちらにもよいところがあるので、子どもの性格や年齢に合わせて考えましょう。

Q. 渡航前に子どもに英語を習わせたほうがいいですか?

A. 習っておくと楽になりますが、必ずしも必要ではありません。6歳で渡米した女の子は、日本でインターナショナルスクールに通っていたので、入学してすぐに授業についていけました。英語を習う時間がとれなくても、「トイレに行きたい」「わからない」など、学校で困らないための英語を練習しておくと安心です。

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