イギリス英語を身に着けるには、とにかく聴くことが大事ですが、1つ助けになるのは、イギリスの良質なテレビドラマを見ることです。
BBC制作を始め、イギリスには映画を凌ぐような良質なドラマがたくさんあります。
その中でも日本でもDVDなどで見られるトップ10を紹介します(特にランク付けしているわけではありません)。
面白いドラマを見ながら、イギリス英語も身に着けば、正に一石二鳥です。
1.ダウントンアビー(原題:Downton Abbey)
日本語サイト:http://www.downtonabbey-tv.jp/
ITVで2010年放送スタート(全6シーズン)。
「ダウントニアン」と呼ばれるファンを世界中に生み出した、大ヒット群像ドラマ。
20世紀初頭のイギリス、グランサム伯爵一家の屋敷を舞台に、伯爵一家のみならず、執事からキッチンの下働き女中に至るまで、あらゆる階層のすべての登場人物の生き様が丁寧に描かれているところが最大の魅力。
話される英語も、基本は上流階級の英語でありながら、同時に色々な階層・出身地の登場人物の英語が聴ける面白さもある。
イギリスの歴史・社会的背景を知る上でも最適。
2.Sherlock シャーロック(原題:Sherlock)
日本語サイト:http://kadokawa-d.jp/lineup/sherlock/
BBC1で2010年放送スタート(全4シーズン)。
世界中で驚異的人気を博したシリーズ。
歴史上最も有名な名探偵と言えばシャーロック・ホームズ。
彼が21世紀の名探偵だったら?というのがこのシリーズのコンセプト。
話の中核になっているのは、シャーロックとジョン(ホームズとワトソンとは言わない)の「ブロマンス(Bromance)」(Brother とRomanceを合体させた語)と、シャーロックが次々に解き明かす難題の数々。
コナン・ドイルの原作やホームズ物語のパロディ・パスティーシュを読み込んでいるファンも唸るヒネリが満載。
非常にスピードが速く、話のプロットも複雑なので、英語教材としては超難関。
(ネイティブでもなかなか一度では各エピソードの全ての要素を消化しきれない。)
それでも正統なイギリス英語は堪能できる。
3.シャーロック・ホームズの冒険(原題:Sherlock Holmes)
日本語サイト:https://www.mystery.co.jp/programs/a_sherlock
グラナダTVで1984年より放送(全6シリーズ)。
主演ジェレミー・ブレットは史上最高のホームズ役者と謳われ、今でも根強い人気を誇る歴史的ヒットシリーズ。
BBCの21世紀版シャーロックとは逆に、正にコナン・ドイルの原作に忠実な19世紀末のホームズ像を描いている。
そのため英語はやや古風。しかし、これを見てイギリスに惹かれるようになったという人も少なくなく、昔ながらのイギリス英語に浸るには最適。
4.名探偵ポアロ(原題:Agatha Christie’s Poirot)
日本語サイト:https://www.mystery.co.jp/programs/poirot
ITVで1989年より放送(全13シリーズ)。
こちらも根強い人気を誇る、原作に忠実な名探偵シリーズ。
2013年にようやく最後のエピソードが放送され、「ミステリーの女王」アガサ・クリスティーの名探偵エルキュ―ル・ポアロを主人公とした原作のほとんど全てを映像化するという偉業を達成した。
主演のデービッド・スーシェは誰もが認める最も原作に忠実なポアロを演じ切った。
彼はベルギー人という設定のため、彼自身の英語はフランス語訛りだが、基本的には上流階級の話すイギリス英語が中心なので、教材としても非常にお勧め。
5.ミス・マープルジョーン・ヒクソン版(原題:Miss Marple)
日本語サイト:https://www.mystery.co.jp/programs/joan_hickson
BBCで1984年より放送(全12話)。
ミス・マープルはITVの新シリーズもあるが、原作忠実嗜好で言えばBBCのジョーン・ヒクソン版が「定番」。
アガサ・クリスティー自身がマープルを演じて欲しいと言っていたと言う。
このシリーズもマープルが主人公の長編12作品を全て映像化。
イギリスの美しい田舎の風景を楽しみながら、落ち着いた正統派のイギリス英語を聴けるので、こちらも教材としてお勧め。
6.マスケティアーズパリの四銃士(原題: The Musketeers)
日本語サイト:http://video.foxjapan.com/tv/musketeers/
BBCで2013年より放送(全3シリーズ)。
言わずとしれたアレクサンドル・デュマの「三銃士」の物語を現代風のクールなテイストでシリーズ化。
17世紀のパリを舞台に、国王ルイ13世に忠誠を誓うアトス、ポルトス、アラミス、ダルタニアンがフランスを脅かす敵や陰謀と闘うアクション満載の歴史物。
舞台はフランスだが、BBCのシリーズなので、話されているのは完璧なイギリス英語。
アクションだけではなく、政治的陰謀劇やロマンスの要素も多数あり、歴史物だが英語は特に古風ではないので、多様な場面で使えるイギリス英語を学べる。
7.紅はこべ(原題:The Scarlet Pimpernel)
日本語サイト:http://tsutaya.tsite.jp/item/movie/PTA000084YO0
BBCで1999年より放送(全3シーズン)。
フランスとイギリス両方が舞台になった歴史物大作の王道といえば、「紅はこべ」。
フランス革命の只中、革命政府によってギロチン送りとなった貴族たちを華麗な手口で救い出すイギリス貴族「紅はこべ」。
重厚な歴史アドベンチャーロマンが好きで、完璧イギリスな英語も聴きたいという人に最適。
8.ドクター・フー(原題:Doctor Who)
日本語サイト:https://www.happyon.jp/doctor-who
BBCで放送開始は1963年。放送開始から50年という、正にイギリスの国民的SFドラマ。
2017年7月には第13代目ドクターが発表され、初の女性ドクター誕生ということで話題を呼んだことが記憶に新しい。
時空を司る高度に進化した異星人「ドクター」が、地球人の仲間と旅しながら、侵略者と戦い、時空の歪みを質すという冒険活劇シリーズ。
新しいシリーズではBBCのシャーロックと制作陣が被ることもあり、シャーロック×ドクター・フーのコラボを熱望する両作品のファンも少なからずいる。
大人も子供も楽しめる作品らしく、独特の用語はあっても、標準的なイギリス英語を学ぶ教材としてお勧め。
9.ブラウン神父(原題:Father Brown)
日本語サイト:https://www.mystery.co.jp/programs/father_brown
BBCで2012年より放送。
イギリスは名探偵の宝庫。ブラウン神父は、アガサ・クリスティーのミステリーの黄金時代の作家の1人、G.K.チェスタトンが生んだ名探偵の1人。
本シリーズはブラウン神父というキャラクターを借りて作ったほぼオリジナルと言ってよいシリーズ。
舞台は1950年代初頭、イギリスのコッツォルズ辺りにあるという設定の架空の村Kembleford。
美しいイギリスの田園風景を背景に、次々に起こるミステリーをブラウン神父とその教区の信徒たちが解決する。
香り高い英国ミステリーが好きな人、イギリスの田舎の風景が好きな人、ミステリーは好きでもあまり猟奇的なサイコ物は苦手な人に最適。
話されている英語も正に標準的イギリス英語で、テンポも速すぎず遅すぎず、教材としてはうってつけ。
10.メグレ警視(原題:Maigret)
日本語サイト:https://www.mystery.co.jp/programs/maigret_rowan
ITVで2016年より放送(今のところ1シーズン)。
Mrビーンで有名なローワン・アトキンソンががらりとイメージを変えて、パリの名探偵メグレ警視を渋く演じているのが最大の魅力。
これも舞台はフランスながら、話されているのはかなり落ち着いた完璧なイギリス英語。
話のスピードも速くないので、教材としてはお勧め。今後シリーズが続くことを期待したい。
イギリス英語を学べるドラマまとめ
以上標準的正当なイギリス英語を聴きながら学べるイギリスの良質なテレビドラマシリーズを、日本でも見られるものに限って、紹介しました。
それぞれ好みがあるので、自分の好きなシリーズを見つけてることが肝心です。
好きなシリーズを繰り返し見て聴くようにすると、リスニング力も伸びますし、イギリス英語の発音なども身に着きます。