インド/グジャラート州/アーメダバードは、首都デリーから飛行機で約1時間30分離れた街です。主要都市に比べて日本人駐在者、特に家族帯同で来られている方は少なく、生活の様子は想像し難いものでした。これから帯同生活をされる方やまだ迷われている方が、少しでもアーメダバード駐在生活のイメージができるよう、私たちの生活についてご紹介します。
アーメダバード駐在中の私たち家族が住んでいる家はこんなところ!
インドでは、綺麗な高層ビルの脇に、バラックの様な簡素な住居で生活する人々がいるなど、貧富の差が目に見えて分かる現状があります。
駐在者のほとんどは、ゲートにセキュリティがあり、敷地内には公園やプールなどのある高層マンションのソサイエティで生活しています。警備員が24時間常駐し、車などの出入りが管理されるなど、安全に守られた敷地内で私たちも生活しています。
家の中はどんな感じ?
我が家の間取りは、リビング・ダイニング・キッチンの他に3つの寝室があります。
ユニットバスも3つありますが、湯船はなく、壁付けの固定シャワーとカランが付いているだけです。我が家の場合、一つはトイレ専用、一つはシャワー専用として使い、一つは使用していません。
お湯は、ギザという電気湯沸かし器で作ります。定量分しか湯が作られないため、入浴時に湯を使いすぎると、再び水が温まるまで湯は使えません。そしてもちろん、停電時は湯が使えなくなります。
部屋の床、風呂場の床は石です。濡れると滑りやすく、子どもにはとても危険なため、入浴時はマットを敷いています。リビングにもジョイントマットを敷いて、転けても痛くないようにしています。
家の中は、窓やドアなど至る所で隙間が多く、砂ぼこりが入ってきます。窓を閉め切っていても、蜂やアリ、クモ、ヤモリなどの生き物も入ってきます。夜になると室内の蛍光灯に虫が寄り付き、朝になると多くの死骸が落ちてることもあります。子どもがハイハイする時期などは特に掃除をこまめにし、気をつけなければなりません。
アーメダバードの交通・移動手段は、徒歩か車
移動手段は、徒歩か車です。我が家の場合、道の整備された徒歩圏内に、身の回りのものが揃うショッピングモールがあるため、徒歩で買い物へ行きます。しかし、道には砂が多く、雨が降るとドロドロになります。野犬やハトが多いため、道のあちこちにフンも落ちています。歩行する際は必ず、靴下と靴を履いて出掛けています。
ソサイエティから出てしまうと、歩行者用信号や歩道もない、片道3車線の大通りを渡らなければならないため、徒歩移動は危険です。さらに交通量が多く、交通ルールも守られないインドでは、駐在員が運転することも不可能です。
そのため、ほとんどの駐在員は専属の車がありドライバーも雇っています。我が家はプライベート用のドライバーと車がないため、どうしてもソサイエティ外へ出掛けたい時は、Uberというタクシー配車アプリを利用します。オートリキシャでの移動も可能ですが、自身で値段交渉をしなければならず、不当な料金を求められることがあります。さらに英語が通じないことがほとんどで、目的地を伝えるのが難しかったりと、ハードルはかなり高いです。

アーメダバード駐在中のメイドさんはどうしてる?
インドではメイドやナニー(ベビーシッター)を雇う習慣があります。彼らを雇う方法は、人伝てがほとんどです。支払う給料もお互いに交渉して決めます。なので、人柄や忠実性、信頼関係を築けるかどうかが非常に重要になります。
我が家も2~3度、メイドに部屋の掃除をしてもらったことがあります。しかし、日本のように時間通りに来て、丁寧に掃除をする、というわけでもありません。さらにヒンディー語しか話せない方がほとんどで、言語の壁もあり、以降はメイドに来てもらうことはなくなりました。
アーメダバード生活のお買い物事情。日本食は買える?
グジャラート州は特にベジタリアンが多く、肉や魚は他地域より手に入りにくいです。そんな環境の中で、私たちが普段どんなものをどのように買っているか、日本食材はどの程度手に入るかをご紹介します。
どんなところで買い物してる?
日常的に使うものは、徒歩圏内のショッピングモールでほぼ揃います。私一人が子ども3人を連れて買い物するのは大変なので、週末に家族で1週間分の買い出しをしています。
スーパーマーケットで食材や日用品のほとんどを、野菜や果物は八百屋さんで、オムツなどの衛生用品は薬局で購入します。インドではキャッシュレス化が進んでおり、小さな八百屋でも電子マネーやカード払いが可能です。肉・魚介類や、少しの日本食材は、magsonという輸入食品を取り扱う店で購入できます。
さらに、Big Basketという配達サービス付きのショッピングアプリで購入することもあります。ここでも、野菜や果物、他食材、シャンプーなどの日用品と、必要なものは揃います。日中に注文すると早ければ翌日午前中に届くので、予定が詰まって買い出しに行けなかった時や買い忘れの時は利用しています。
もう一つ利用しているのはAmazon Indiaです。手に入りにくい日本食材(調味料や日本米)、電化製品、家具などを購入します。日本のネット通販のように、商品詳細が書かれていないこともあり、写真と届いた実物が異なることもあります。そのため、あまり高価なものは買いません。購入前に口コミや評価を確認することをお勧めします。

どんなものを買って食べてる?
我が家がよく買う現地食材は、
1. 菜、果物
大根、にんじん、紫玉ねぎ、じゃがいも、ピーマン、トマト、マッシュルーム、ナス、キャベツ、にんにく、バナナ
2. 穀物
Maida(中力粉)、Sooji(セモリナ粉)、Besan(ひよこ豆の粉)、スパゲティ、マカロニ、バスマティライス
3. 乳製品
牛乳、バター、チーズ、カード、パニール、フレッシュクリーム
4. 肉や魚など
鶏卵、豚バラブロック、豚ミンチ、鶏胸肉、鳥手羽元、鳥ミンチ、ベーコン、ムキエビ
インドは食材が非常に安いです。野菜は日本に比べ、食感が硬かったり、アクが強いものもありますが、調理方法や味付けを工夫すれば、美味しく食べられます。卵は火をしっかり通さなければなりません。豚や鶏肉も肉質が硬いです。現地の調理法にならって、ヨーグルトに漬け込んだり、圧力鍋で調理すると、非常に柔らかくなり美味しいです。
こちらで購入するパンはパサパサしており、そのまま食べるには不向きで、ホットサンドにして食べることが多いです。
アーメダバードで、日本食材はどのくらい手に入る?
現地で購入している日本食材は、調味料(醤油、みりん、酒、酢、味噌)、日本米、麺類(そば、うどん、そうめん)、ロングライフ豆腐です。一応手には入りますが、いずれも日本の2~3倍の値段です。
日本米はカリフォルニア産のもので、ややぱさつきや匂いがありますが、慣れれば気になりません。中には中国産の食材もあり、日本と同じような味・食感ではないこともあります。
アーメダバードは子どもに優しい街!子育て事情
アーメダバードに来ると、すでに駐在されてる方から決まって言われることは、「子育てしやすい環境だよ」ということ。アーメダバードは主要都市に比べると治安も良く、子どもに優しい方が多いです。私は子ども2人と渡印し、こちらで3人目を出産しました。日本より不便な点、大変な点もありますが、日本より伸び伸びと子育てできるのも実感しています。
子供はどこで遊ばせることができる?危険なことは?
毎日敷地内の公園で、1~1.5時間遊んでいます。1歳半頃の歩き慣れた時期~小学生高学年くらいの子どもたちが遊んでいます。親や祖父母が付き添っていますが、子どもたち同士で遊ばせ、保護者はベンチに座って過ごしたり母親同士で話す姿をよく見かけます。子どもたちが遊びたいように遊ばせ、自由に過ごさせている印象です。
親御さんが目を離しているときに子どもが危ないことをしていると、他の親御さんが注意する場面もよく見ます。私がふと目を離すと、息子は他の親御さんにブランコを押してもらっていました。我が子も他の子どももみな同じ、地域みんなで子育てをする、といった温かな雰囲気です。
公園で遊んでいると、子ども~ご高齢の方まで多くの方に声を掛けられます。片言の英語でも、理解しようと一生懸命聞いてくださります。娘や息子に対しても、笑顔で挨拶をしてくれ、とてもフレンドリーです。
そんな環境ですが、野犬には気を付けなければなりません。時折り公園内に野犬が来ることもあります。比較的温厚な犬ばかりですが、子どもが近づいたりしないか、常に注意を払っています。

世間体より子どもの意思を優先にするインドの人たち
公園やスーパーに行くと、テーマパークで被るようなカチューシャを付けたり、ドレスを着ている女の子を見かけます。その子の誕生日、というわけでもありません。着たいから着てるのです。私が日本でも同じことができるか考えましたが、TPOや世間体を踏まえ、今はドレスを着る時じゃないよ、と諭すかもしれません。子どもの自由な発想ややりたいことを尊重することも、子育てには大切だと改めて思いました。
日本とは違う子育て環境
環境も文化も異なるため、子育ての上でも日本との違いに驚くことがいくつもあります。
アーメダバードは5~6月が最も暑く、日中は45度前後まで気温が上がります。そのため子どもたちは、日が沈み気温が下がる19時頃から遊び始めます。21時過ぎても遊んでる姿を見た時は驚きました。
12~1月は、ウィンターシーズンで一番気温が下がります。といっても日中は20度くらいと、日本の秋の始め頃の気候です。この時期になると、子どもたちは厚着になります。陽がさすと汗ばむ陽気でも、ダウンジャケットにニット帽をかぶっています。赤ちゃんには特に厚着をさせるようで、頭を守るための帽子、ミトン、靴下は必須です。末っ子を連れていると、「靴下は?帽子を被せないと危ないよ」と現地の子どもやご高齢者に言われました。
かと思えば、足元は裸足で遊ぶ子が多いです。インド人のほとんどが、1年を通してサンダルで外出しており、中には裸足で出歩き、働かれる姿も見かけます。靴下や靴を履く習慣があまりないのかもしれません。
私は末っ子をおんぶし、長女・長男を遊ばせるのですが、「なぜおんぶをするの?日本のスタイル?」と聞かれたことがありました。こちらに来て1年余り、抱っこ紐を使っている方を見たことがありません。インドでは2世帯以上で暮らしてる家庭が多いので、子守りを頼める環境があり、抱っこが必要な赤ちゃんを連れて外出する必要がないのかもしれません。

アーメダバード駐在生活まとめ
アーメダバードに来た当初は、環境や文化の違い、食材の質や味が日本と異なることに戸惑い、自由に外出できない不便さにストレスを感じていました。
その中でも楽しみを見つけ、現地の方のやり方を真似、その環境に順応することが大切です。自由で真っ直ぐに、自分らしく生きるインド人。そんな中での生活は、周りに気を取られすぎず伸び伸びとした時間を過ごせることでしょう。残りの駐在生活も、インドらしさを満喫し、家族とのかけがえのない時間を過ごしたいと思います。

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