アメリカで病院にかかるときに、まず心配になるのが医療費の高さ。
会社で保険に加入していても、ご自身が入っている保険プラン、病院、地域などによって、請求額には驚くほど差があります。
今回は、筆者がニューヨーク駐在中に病院にかかった際に実際に届いた、Invoice(請求書)の見方について、ご紹介します。
事例(1) 歯医者の請求書
虫歯治療に一本数万円するといわれているアメリカ。
歯医者は、通常の医療保険ではなく、歯科専門の歯科保険に入る必要があります。
我が家は一人年間2000ドルまでは、保険適用(※治療内容によって保険会社が支払う割合は変わります)のプランに加入していますが、筆者は渡米した直後に詰め物が取れて、レントゲンを撮った結果、その歯に根幹治療が必要なことがわかりました。
根幹治療をし、セラミックの歯をつけ直しただけで、1年間の保険適用額2000ドルをあっという間に超えて驚愕した思い出があります。
アメリカで、『歯は治療するものではなく、予防するもの』という意識が非常に高いのは、こういった医療費の高さが背景にあるのかもしれません。
こちらは娘が歯医者さんにCheck-up(定期検診)に行った時の請求書です。
画像の右下①が請求額、②が事前に受付で支払った額、③は残りの請求額です。
画像の右上部分に、残金が記載されています。
③の残りの請求額(Total)から、保険会社が負担する額(Ins Estimate)をひいたものが、残金(Balance)となります。
(支払い方法は病院によって異なります。)
こちらの歯医者さんは治療明細を非常に細かく記してくれているので、分かりやすくありがたかったです。
事例(2) 小児科の請求書
こちらは娘が小児科にかかった時のインボイスです。
治療内容の詳細がなく、医療費(Cost of services)と割引額(Adjustments/ Insurance paid)、支払残高(Your Total Balance)のみの表記で、分かりにくいインボイスです。
こういったインボイスが届いたら、すぐに支払ってしまうのではなく、必ずProviderである医療機関にItemized Bill(アイテマイズドビル:治療費明細書)を入手し、治療内容を確認しましょう。
別の病院の請求書になるのですが、こちらがItemized Bill(アイテマイズドビル:治療費明細書)です。
診療内容とその請求額ががきっちり記載されています。
保険に関する英単語
保険会社のウェブサイトに入ると、かかった医療機関の請求明細を見ることができます。
保険に関する英単語がたくさん出てきます。
①Deductible(ディダクティブル:年間免責額)
たとえばDeductibleが2000ドルで設定されている保険プランに加入の場合、年間の自己負担が2000ドルに達するまで、保険が適用されません。
②Copay(コーペイ:受診のたびに窓口で支払う金額)
医療サービスによって金額が異なりますが、高くても数十ドル程度が多いようです。
③Coinsurance(コーインシュランス:保険適用時の自己負担額)
①のDeductibleを超えて保険が適用された時に被保険者が負担する割合です。
保険会社からのEOB(保険給付明細書)の見方
こちらは、EOB(Explanation of Benefit)と呼ばれる、保険会社から届く保険給付明細書です。
最初の頃は、保険会社からも請求書が届いた!?とびっくりしていたのですが、よく見ると『This is not a bill. Do not pay.』の文字が書かれています。
保険会社から届くEOB(保険給付明細書)と、医療機関から届いたInvoice(請求書)と照合し、請求書の内容に間違いがないか確認するようにしましょう。
病院からのインボイス頻出英単語
Balance(支払残高)
Provider(医療機関)
Claim(請求、要望)
Summary(概要)
Description(請求明細)
ここでのClaimは、日本で使われるクレームの意味ではなく、『請求』や『要望』の意味で使われるので要注意です。
アメリカの病院でもらうインボイスの見方と英単語まとめ
今回は、アメリカの病院から届くInvoice(請求書)の見方についてご紹介しました。
よく見ると請求書の金額が間違っていた、なんて話もよく聞くので、支払ってしまう前に、少しでも気になることがあったら保険会社に確認するようにしましょう。
病院を選ぶ際も、事前に医療機関に保険プランを連絡し、おおよその診療費用を確認しておくとさらに安心です。