家族帯同で海外駐在されるご家庭にとって、お子様を日本人学校に通わせるか、インターナショナルスクールに通わせるか、現地校に通わせるか、は頭を悩ます大きな選択です。
今回は、ベトナムのホーチミン駐在で我が子の小学校選びをした際の話を、当時の私たち夫婦の葛藤と共にご紹介いたします。
ホーチミン駐在での日本人小学生の学校選択肢
日本人小学生がいるご家庭が、ホーチミン駐在で学校を選ぶ場合、以下の2つの選択肢があります。
(1)日本人学校
(2)インターナショナルスクール+補習校
未就学児を現地の幼稚園や保育園に通わせているご家庭はいますが、小学生以上の学年で現地校に通っている方を筆者は知らないので、こちらでは上記の2つのパターンについて書いていきます。
ホーチミンのインターナショナルスクール事情
我が家の場合、最初はインターナショナルスクールに入れるつもりでした。というのも、年中の途中から海外生活を始め、インターナショナルスクールもしくは英語圏の現地校に通わせていたこともあり、このまま英語力を維持し更なる向上を図って、国際社会でも活躍できる子になってほしい、という思いがあったからです。
また学費が高いだけあって、教育内容や施設も日本人学校と比べると先進的な学校が多い印象を受けたので、年齢が若いうちからそういった環境に身を置けることにも魅力を感じました。
ホーチミンのインターナショナルスクールは2種類
ホーチミンのインターナショナルスクールは大きく分けて2種類あります。
1つはベトナム人向けのインターナショナルスクール(のような英語での教育をメインとし、ベトナム語の授業もある学校)。
2つめは、外国人とベトナム人が両方在籍するインターナショナルスクール。場合によっては、1つの学校の中に両方存在していることもあります。
授業料は前者の方がお手頃ではありますが、「ベトナム人のための」ベトナム語の授業は、外国人からすると授業についていくのがかなりハードでしょうし、友人に英語圏のネイティブがいた方がきれいな発音が身に付くのも早いだろうと考え、我が家では後者の学校をリサーチしました。
インターナショナルスクールが集中するのは2区と7区
ホーチミンには、大きく分けて2つの区に、インターナショナルスクールが集中しています。1つは2区。もう一つが7区。2区と7区は行き方や混雑具合によっても大きく変わりますが、30分ほど離れています。実際に全てのインターナショナルスクールの数をカウントしたわけではありませんが、学校の数としては2区の方が多い印象を受けます。
ホーチミンは道路事情があまりよくないので、できれば自宅から近いエリアの学校を選択することをオススメします。しょっちゅう大渋滞や洪水などが発生するので、子どもだけをスクールバスに乗せるのはやはり心配が尽きません。
インターナショナルスクール見学時の注意点
全てのインターナショナルスクールに見学に行くのは現実的に難しいと思うので、ネットや通わせている親御さんから話を聴くなどして、事前にある程度情報を集めていきます。選択肢を絞ってから見学の予約を入れますが、その際に、ご自身の住まいを伝え、スクールバスが通っているかどうかを必ず確認しましょう。学校によっては、通ってくれる生徒全てのコンドミニアムに停まってくれるところもあれば、決まったところにしか停まらない学校もあるので、そもそもご自宅がスクールバスのエリア外だと、その学校を見学しても無駄になってしまいます。
我が家が最終的にインターナショナルスクールを選ばなかった理由
あれだけインターナショナルスクールに通わせるつもりでいたのに、我が家は最終的に日本人学校に決めました。その1番のきっかけが、住宅選びでのトラブルでした。
学校選びと同時進行で、住まいを探していた我が家は、子どもの学校優先で2区のコンドミニアムを探していました。その中で「これだ!」と思う物件が見つかり、オーナーに申し込んだものの、数日後に別の人に貸す、と断られてしまったのです。どうやら「ベトナムあるある」らしく、私たちが申し込んだ直後に、オーナーにとって金銭的に都合の良い借り手が現れたそうなのです。
その後、すぐに住居探しを再開したものの、最初の物件と並ぶような物件には2区で出会うことができず…それと同時に、2区の空気の悪さも気になるようになり、2区での物件探しを諦め、比較的、空気のキレイな7区で探すことになりました。
そうなると、学校探しも一から仕切り直し。そこで夫婦で何度も話し合いを重ねました。2区を出ることによって、通わせたいと思っていたインターナショナルスクールからも住まいが離れることになる。と同時に、今まで選択肢として考えていなかった日本人学校(7区にあります)が選択肢として新たに浮上してきたのです。
夫婦で話し合った、ベトナム駐在で日本人学校を選ぶ4つのメリット
インターナショナルスクールではなく、日本人学校に通わせる場合、どんなメリットがあるかを夫婦で話し合いました。
(1)日本に戻ったときにスムーズに編入できる
(2)子どもの学業の負担が減る
(3)親が子どもに日本の教育を教える負担が減る
(4)学費負担が減る分、学校外で様々な経験をさせてあげられる
上記(1)~(4)それぞれについて詳しく書いていきます。
日本人学校のメリット(1)日本に戻ったときにスムーズに編入できる
コロナ禍で、ベトナム在住の日本人家庭が日本に一時帰国もしくは本帰国していきました。我が家も実はその家庭の1つ。その一時帰国の期間に、日本の学校に通わせていたのですが、新たな環境とはいえ、日本人学校と勝手が同じところが多々あり、子ども自身も、私も、移行がスムーズでした。
日本人学校のメリット(2)子どもの学業の負担が減る
インターナショナルスクールに通った場合、土曜日に補習校に行かなくてはなりません。英語を勉強したとはいえ、たった1年。ネイティブのように英語を理解している訳ではないので、娘にとってインターナショナルスクールの勉強はかなり大変です。ネイティブのお友達と比較したときに、ただでさえ勉強に時間がかかるのに、それに加えて補習校の授業を受けなくてはなりません。
当時、これからやっと1年生になる娘には、学業の負担が大きすぎて、年齢相応の、のびのびと遊ぶ時間を減らしてしまうのではないかと、少し懸念しました。
日本人学校のメリット(3)親が子どもに日本の教育を教える負担が減る
日本で義務教育を受けてきた私たちですが、だからと言って、子どもにそれを上手に教えられる訳ではありません。英語も捨てがたいですが、日本人として最低限身に付けておかなくてはいけない勉強や、日本人としてのマナーなどを「家族以外の第三者」かつ「プロの教師」から教わることは娘にとって非常に大切なことだと考えました(親として教えることはいっぱいありますが、本来学校で学ぶべきことまで教えると、実の親だけあって、とても厳しい目で見てしまって小言が絶えなくなるのが目に見えているので)。
日本人学校のメリット(4)学費負担が減る分、学校外で様々な経験をさせてあげられる
インターナショナルスクールは、日本人学校と比べると学費が何倍かになります。それに加え、補習校の学費も。
そうなると、我が家の家計状況だと、旅行や習い事を好きなだけ経験させてあげるのは難しくなってきます。
それであれば、娘が関心のある習い事を英語で教えてくれるところに通わせて、英語を学びながら興味を追求したり、ベトナムにいるからこそ行けるようなスポットへ旅に出たり、今しかできない経験をいっぱいさせてあげることの方が、我が家にとって優先度が高いのではないか、という結論に至りました。
インター?日本人学校?ホーチミン駐在での小学校選び まとめ
子どもの学校選びは考え始めたらキリがありませんが、お住まいのエリアによっては、選択肢すらない場合もあるかもしれません。ただ、選択肢の数はさておき、海外で子育てするチャンスはなかなか無いこと。どの学校に進んだとしても、必ず我が子にプラスの影響を与えてくれると親がブレずに信じることが、何よりも大切なのではないかと思っています。
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