アメリカのエアコン・ヒーターはセントラルヒーティングと言って、各部屋での設定ではなく、家・アパートの各部屋全体のことが多いです。セントラルヒーティングのパネル機能の例を紹介します。
なお「セントラルヒーティング」は主に暖房機能を指す言葉ですが、アメリカの住宅ではダクト(風道)を通じて暖房と冷房の両方を1つのシステムでまかなっていることが多く、「セントラル空調」「全館空調」と呼ばれることもあります。検索で「全館空調」「エアコン」といった言葉で調べている方も多いようなので、このページでは暖房・冷房どちらの設定方法もあわせて紹介します。
System settingシステム設定のボタン

- Heat・・・「ヒーター」
- Cool・・・「クーラー」
- Off・・・「オフ」
- Auto・・・「自動運転」室内温度によって自動でヒーターにするかクーラーにするか判断します。
- Em heat= emergency heat・・・「エマージェンシーヒーター」説明書には補助のヒーター (auxiliary heat) と書かれていますが、外気が20℉(マイナス6度くらい)になったらつけてくださいと言われたことがあります。
Em heat(エマージェンシーヒーター)についてもう少し詳しく
「Em heat」を選択すると、通常の暖房(Heat)ではなく補助ヒーター(Aux Heat)が作動します。取扱説明書には、パネルの表示に「Aux Heat On」と出ている間は補助ヒーターが作動中であることを示す、と書かれています。ヒートポンプ式の暖房は外気温が下がりすぎると効率が落ちるため、severe cold(厳しい寒さ)の時だけEm heatに切り替える、という使い方が想定されています。
Fan settingファンの設定

- On・・・「オン」常にファンが回っている状態です。
- Auto・・・「自動運転」ヒーターやクーラーがついている時だけファンが回ります。
- Circ= circulation・・・「サーキュレーション」ランダムにファンが作動します。いつもファンを作動させておきたくはないが、部屋の中の空気の流れを良くしたい時はこの設定にします。
- Inside・・・「室内温度」
- Set to・・・「設定温度」
- SCHED= scheduleの短縮形・・・「スケジュール設定」
- HOLD・・・「ホールド・保つ」一時的に設定温度を変えたい (override temporary) 時はいつでも温度だけを変えられますが、スケジュール設定してある場合は予約の時間がきたら、また元の設定に戻ります。「HOLD」ボタンを押してから温度設定をすると、スケジュールの変更をしたりキャンセルをするまで、ずっとその温度が保たれます。(override permanently)
- CLOCK・・・「時刻設定」
- SCREEN・・・「画面ロック」このボタンを押すと30秒間画面にロックがかかります。その間にパネルの掃除ができます。
- MORE・・・「その他」今回紹介しているセントラルヒーティングは、フィルター交換のリマインダー設定しかありませんが、モデルによっては外気温 (outdoor temperature) や湿度 (humidity) が表示されるもの、除湿器機能 (dehumidification control) がついているものもあります。
- Done・・・「完了」パネルで操作を行うとこのボタンが出てくるのですが、これを押すと、変更などが完了となります。”Cancel”を押すと変更や設定が完了となりません。
- Edit・・・「編集・変更」設定を行う時、変更する時ようのボタンです。
Circ(サーキュレーション)についてもう少し詳しく
ヒーターやクーラーを常時つけておきたくない時期でも、部屋の空気がこもるのが気になる場合はCircを選ぶと、ランダムな間隔でファンだけが作動し、空気を循環させてくれます。電気代を抑えつつ換気したい春・秋などに便利な設定です。
華氏(°F)の温度表記の読み方
アメリカの温度表示は、日本で使われる摂氏(℃)ではなく華氏(°F)です。パネルの数字もすべて華氏で表示されるため、最初は感覚がつかみにくいかもしれません。ざっくりとした目安として、下記の換算式と、このページで紹介した設定例の華氏・摂氏対応を載せておきます。
換算式:摂氏(℃) = (華氏(°F) - 32)× 5 ÷ 9
| 場面 | 華氏(°F) | 摂氏(℃)(目安) |
|---|---|---|
| 起床時・暖房 (Wake, Heat) | 70°F | 約21.1℃ |
| 起床時・冷房 (Wake, Cool) | 78°F | 約25.6℃ |
| 外出時・暖房 (Leave, Heat) | 62°F | 約16.7℃ |
| 外出時・冷房 (Leave, Cool) | 85°F | 約29.4℃ |
| 就寝時・冷房 (Sleep, Cool) | 82°F | 約27.8℃ |

冷房(Cool)使用時の設定温度の目安
central-heating-03.jpgの取扱説明書には、省エネのためのEnergyStar推奨設定として、暖房(Heat)だけでなく冷房(Cool)の温度の目安も載っています。起床時・外出時・帰宅時・就寝時それぞれで、冷房は78°F〜85°F(約25.6℃〜29.4℃)の範囲で設定するようすすめられています。日本の感覚だとやや高めに感じるかもしれませんが、アメリカの住宅は気密性や外気温の違いもあり、この設定でも十分涼しく感じられることが多いです。
「全館空調」「セントラル空調」とセントラルヒーティングの違い
「セントラルヒーティング」という名前は暖房(Heating)を指す言葉ですが、実際には同じダクト・パネルで冷房もコントロールできる住宅がほとんどです。そのため「全館空調」「セントラル空調(Central Air / Central AC)」と呼ばれることもありますが、指しているシステムはこのページで紹介しているものと同じと考えて問題ありません。物件情報などで「Central Air」「Central A/C」と書かれていたら、このページのようなパネルで温度調整ができる設備だと考えてください。
時間で温度を細かく設定して省エネ
朝起きてから、日中に外出している間、そして寝る時まで、細かく温度設定ができます。曜日ごとの設定も可能です。設定例を紹介します。

- ”SCHED”ボタンを押して、”Edit”を選択
- 曜日の選択
- ”Wake time”(起床)の時間設定をする
- ”Heat”と”Cool”の温度設定をする
- 同じように”Leave”(出発)”Return”(帰宅)”Sleep”(就寝)の設定もする
- ”Done”ボタンを押して設定完了
旅行等で長期留守の場合も、セントラルヒーティングを使って室内温度を細かく設定できる

例えば、夏休みで2週間旅行に行くけど、その間だけ、部屋が暑くなり過ぎない程度の温度に設定し、帰る時には快適温度になるようにしておく、ということもできます。
例えば、今から14日後の午後6時に帰宅予定とします。
- 温度を設定します。
- 帰宅予定時間を設定します。
- ”Hold”ボタンを2回押し、何日間家を開けるのか設定します。
この設定した日時が過ぎれば、自動的に元の設定に戻ります。もし帰宅が早くなれば、パネルを1回触って、”Cancel”ボタンを押せば、設定解除となります。
まとめ
セントラルヒーティングは名前に「ヒーティング」とついていますが、多くのアメリカの住宅では暖房・冷房の両方をこのパネル1つでコントロールしています。華氏(°F)の温度表記に慣れるまでは戸惑うかもしれませんが、System・Fan・SCHEDそれぞれのボタンの意味さえ覚えてしまえば、季節や外出の予定に合わせて自由に室温を調整できて便利です。
駐在妻英会話ビギン