お子さんを連れてのニューヨーク赴任、まず気になるのは 学校のこと、というママも多いことでしょう。
このコラムでは、筆者の体験をも踏まえたリアルなニューヨークの幼稚園、小学校を探す時のポイントをご紹介していきます!
ポイント(1) わかりにくいニューヨークの幼稚園・小学校制度 まずは概要をざっくりつかもう
自由の国アメリカらしく、私立か公立かだけでなく住む場所や人種構成、幼稚園や小学校の教育方針、親の価値観や教育費などによって、学校の選択肢が数多あるのがニューヨーク。
ニューヨーク州の中でも、マンハッタンやブルックリンなどを含むニューヨーク市の幼稚園・小学校の仕組みは複雑でわかりにくく、日本とは違う概念を理解するだけでもなかなか一苦労です。
まずは、ニューヨーク市の幼稚園・小学校入学までの基本概要をざっくりとつかんでおきましょう。
1-2歳:Day Care またはNursery (保育園)
私立のみ。公立はなし。
学費は150万-300万/年と高額です。
デイケアやナーサリーは、託児所や保育園に近いイメージ。
明確な教育方針があるというよりは子供を預かることを主眼においています。
3-4歳:Pre-School (私立幼稚園)
プリスクールは、日本でいう幼稚園のイメージ。
園によって教育方針に特色があり、シュタイナーやモンテッソーリ、レッジョ・エミリアなどのアプローチが人気です。
3K / Pre-K(公立幼稚園プログラム)
ニューヨーク市特有の幼児教育で、3歳から3K、4歳からPre-Kと呼ばれる、学費無料の公立幼稚園のプログラムに申し込むことできます。
義務教育ではないので、会社補助次第ですが、引き続き私立の幼稚園や保育園に通わせる駐在員家庭も多いようです。
5歳:Kinder(キンダー/ Kindergartenの略)
小学校入学に相当し、義務教育が始まります。
キンダーガーテンは小学校1年生になるための準備期間という位置づけです。
転校しない限りここで入学した学校に6年間通うことになります。
6歳:Elementary(エレメンタリー/小学校1年生)
一見、概要だけ見るとシンプルに見えるかもしれませんが、これがなかなか一筋縄ではいかないのがニューヨーク。
チャータースクール、ギフテッド、など聞きなれない特殊プログラムが複雑に絡み合っているのが、ニューヨーク市の公立小学校ならではの特徴と言えるでしょう。
いきなり全てはわからなくとも、まずは日本語で書かれた情報サイトなどを参考に基本的な概念を理解しておくのがおすすめです。
小学校に上がるまでは、子供が1歳成長するたびにリサーチしたり学校見学に行ったりと、何かと忙しいのがニューヨークの学校探し。
幼稚園・小学校選びにはそれなりの時間とエネルギーが必要なことを心得ておきましょう!
幼児教育無料化の動きにも注目
久しぶりに、ニューヨーク市教育局DOE(Department of Education)のサイトを見たらなんと今年からは3歳から無料で幼稚園に入れる3-Kなるものが導入されていてびっくり!(*筆者は2014-16までニューヨーク、現在はカリフォルニア在住)
他州では学費無料の恩恵にあやかれるのは5歳からですが、ニューヨーク市では幼児教育の拡充に力を入れる、現市長の政策で” 3K for All” (全ての3歳児に無料で幼稚園を)というプロジェクトが始まり改革が進められています。
ポイント(2)ニューヨークの住まいと幼稚園・小学校選びの関係を理解しよう
住むエリアによって公立小学校の質やレベルが大きく異なるニューヨーク。
学校のレベルに比例して家賃も上がります。
ここでは、 日本人駐在員の家庭でよく見られる家探しと幼稚園・小学校選びのアプローチ3パターンを見ていきましょう。
<ケース1: 家を探してから幼稚園や保育園を探す>
まずは場所ありき!
妊娠中のプレママや未就学児のいる家庭によく見られ、夫婦の好みやライフスタイル、通勤や買い物など生活に便利かどうかで住居を決め、学校はその後。近所で通えそうな保育園や幼稚園を探します。
<ケース2:小学校を探してから家を決める>
まずは学校ありき!
小学生以上、またはキンダーへの応募を控えた4歳児がいる家庭に見られます。教育レベルが高く学校の環境が良いエリアかどうか、が家探しの第一条件になります。
<ケース3:子供の成長に合わせて引っ越しする>
子供が小さいうちは学区に関係なく 好きなところに住み、キンダー入学までに教育レベルの高いエリアに引っ越しするケース。
アメリカ人家庭の多くがこのように住まいを転々としたりしますが、日本人でも永住組や駐在期間が長くなりそうな家庭によく見られます。
通勤も要チェック!
保育園や幼稚園、小学校に通わせる場合は、通学手段も要チェック!
ニューヨークでは、小学生までは保護者同伴が原則義務付けられていて、特にマンハッタンでは、多くの駐在員家庭が徒歩や公共の交通手段で子供の送り迎えをしています。
真冬の氷点下の中でも徒歩で送り迎えできるか、バスや地下鉄は利用できるのか、スクールバスはあるか など、事前にチェックしておきましょう。
慣れない海外生活を始めるに当たって要となる住まい探し。
どこに住むかによって駐在生活がどんなものになるか大きく変わります。慎重に決めたいですよね。
前任者やエージェントに話を聞いたり、日系不動産会社のサイトを参考にしたり、GreatSchoolsのような学校のランキングサイトを参考にしながら、住むところと学校探しの関係性をしっかり理解していきましょう。
ポイント(3)ニューヨーク市の公立小学校は情報戦。 DOEのサイトをフル活用しよう
教育制度そのものが大きく変わったり、 細かなルールが変わったり、新しい学校が増えたり減ったりと変化が激しいのがニューヨークの公立小学校の特徴。
目まぐるしく変わるのはビジネスや街だけでなく学校制度についても同じですね。
知らなかったでは済まされない情報戦
日本ではにわかに信じられませんが、一度公表された募集要項もいつの間にか変更されていたり、追加されていたりします。
知らなかったでは済まされない情報戦!どこまでも自己責任です。重要な情報は待っていて向こうからくるものではなく、自分から取りに行くものだと心しましょう!
信頼できるリソースから最新情報を
ニューヨークの幼稚園探しや小学校選びについて書かれた記事は数年前でも、すでに状況は変わっていることがあるので気を付けましょう。
特に個人のブログなどは参考程度にして、書かれていることを全て鵜呑みにするのはやめた方が良いでしょう。
信頼できる情報源から常に最新情報を取りにいき、最後は自分で考えて情報を取捨選択しなければなりません。
ニューヨーク市の公立小学校に関しては、リソースはひとつ!!
最新の信頼できる情報源という意味では、ニューヨーク市教育局DOE(New York Department of Education)市教育局のウェブサイトが唯一です!
ポイント(4)ニューヨークでバイリンガル教育。日本語教育は家庭でじっくり話し合おう
ここまで現地校の話ばかりしてきましたが、日本語教育をどうするか、ということも日本人の子を持つ親としては気になりますよね。
ニューヨークには、日本語と英語のバイリンガル校や育英学園など全日制の日本語学校もあり、土曜補習校やアフタースクールも選択肢は迷ってしまうほど。
期間限定の駐在員の場合、アメリカ滞在中はできるだけ子供に英語を身につけさせたいと平日は現地校で英語教育、土曜やアフタースクールで日本語教育、というのがよくあるパターンです。
日本語の学校には行かせていないという家庭もありますし、サマーキャンプで日系の学校に2−3週間集中して通わせる、というのもよく聞きます。
バイリンガル教育については、家庭によって価値観は千差万別。
考え方はまちまちで、これという正解はないように思います。
どこまで徹底してどうしたいか、親のさじ加減ひとつ、考え方ひとつ、というところでしょうか。
漢字の読み書きまで完璧なレベルを求めるのか、会話が通じればいいのか、日本に戻ったときに受験が必要なのか、家庭内でじっくり話し合って方針を決めていきましょう。
ポイント(5)やっぱり口コミがいちばん!ニューヨークでママ友を作ろう
ベタですが、もう最後はこれに尽きます。
ある程度ネットリサーチをしたら、あとはもう生の声に限ります。
おすすめは、まず1人でいいので、同じくらいの子供をもつ友達を近所に作ること!
日本語でなんでも相談できる友達ならさらに心強いですね。
赴任前に、ニューヨークにいる知り合いを紹介してもらうのも良いでしょう。
図書館や公園に出かけよう
ニューヨークには安全で清潔な公園や立派な図書館がたくさんあり、日本の児童館のように赤ちゃんやまだ学校に通う前の小さな子供たちを連れたママたちが集まる場所になっています。
自分と同じように 苦労しながら生活の立ち上げをしている世界各国のママたちと知り合う絶好の場所。
お互い共感ポイントも似ていて仲良しの友達ができるチャンス!
私の場合は、友達が出来ず途方に暮れている時、公園で会ったイギリス人ママに「図書館のストーリータイム(読み聞かせ)がいいわよ」と聞き、そこで 素敵な日本人ママと出会うことが出来ました。
友達を紹介してもらい、幼稚園・小学校探しの情報やアドバイスをもらううちに、いつの間にか不安は消えていました。やはり最後に頼るべきはママ友です!
どんどん外に出て、子連れの親子を見かけたら、思い切って“How old is your child? “”日本人の方ですか?“などとこちらから口火を切ってみましょう!
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