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フィラデルフィア駐在で通った日本語補習校と体験レポート

私たち家族は2020年12月にアメリカ/ペンシルバニア州/フィラデルフィアに来ました。
まさにコロナ渦中での渡米となりました。
そういった状況下でもフィラデルフィア補習校は子どもたちの学びの機会を損失することなく運営されてきました。
コロナ以前とは異なるかもしれませんが、私たちの補習校体験レポートを紹介します。

アメリカ/ペンシルバニア州/フィラデルフィアの補習校等の種類について

ペンシルバニア州には日本人学校はなく、州都のフィラデルフィアには補習校が1校あります。
正式名称はフィラデルフィア日本語補習授業校といいます。
ペンシルバニア州及び連邦政府からの認定、文部科学省から支援を受け、運営されています。

フィラデルフィア補習校は幼稚部(年中、年長)、小学部、中学部、高等部、継承日本語コース、日本語アダルトクラスで編成されており、フィラデルフィア中心地に位置する私立校のフレンズセントラルスクールの校舎を借りて学習活動が行われています。

明治時代に活躍した新渡戸稲造、津田梅子、野口英世などがフレンズ校に在籍したこともあるご縁から、こちらの校舎をお借りしているそうです。

敷地内は緑が豊かで、春には桜が咲きます。
校舎は歴史的な外観で、まるで自分が映画の中にいるかと思うような、とても素敵な環境です。

補習校が借りているフレンズ校の校舎の1つです。歴史的で趣のある外観はまるで映画の中にいるようです。

日本語補習校を選んだ基準等

夫が米国に赴任が決まった際に、夫の会社から「学齢期の子がいる家庭は海外子女教育振興財団の『赴任前子女教育セミナー』又は個別の『教育相談』をするよう」勧められました。

そこで教育相談をしたときに、フィラデルフィアには日本語補習校があることを教えてもらいました。

数年後の帰任時に日本の学校の勉強についていくためには、補習校での授業は必須と考え、子どもを補習校への入学させることを決めました。
家を選ぶ際も、補習校に無理なく通えるエリアであることを考慮しました。

日本語補習校に通うメリット

①日本語でコミュニケーションが取れるお友達ができる。同じ環境で頑張っているお友達に勇気づけられる。

ペンシルバニア州には日本人学校が無いので(隣のニュージャージー州には日本人学校がある)、学齢期の子は月曜から金曜は現地校に通うことになります。

フィラデルフィアはそう日本人の多い地域ではないので、家族以外と日本語でコミュニケーションを取る機会はほとんどありません。
特に渡米間もない頃など、英語でのコミュニケーションに苦労している子どもにとっては、補習校は心のよりどころのような存在になります。
子どもだけでなく親にとっても、補習校で日本人のママたちとつながれるのは心強いです。
子どもの勉強についてだけでなく、色々な情報交換をします。

コロナのため保護者は校舎内に入れませんが、天気の良いときは中庭のベンチで日差しを浴びながら保護者同士おしゃべりをして子どもたちを待っています。

②帰任後の日本の学校の授業についていける。帰任後の勉強への不安が軽減される。

補習校の授業は毎週土曜日の週1日、小学部の場合国語が3コマ、算数が1コマの計4コマです。
限られた時間ではありますが、日本の学校の進度とほぼ同じ速度で進んでいます。
小学部低学年くらいだと宿題の管理等の親のサポートは必要なものの、帰任時の子どもの学習面の不安はだいぶ軽減されると思います。

日本語補習校のデメリット

①係や委員会など、保護者の出番が多い

補習校において、保護者は何らかの係や委員会に属します。
係や委員会以外にも、子どもたちの休みの時間に子どもたちを見守る「中休み当番」や、駐車場で車を誘導する「駐車場当番」などが年に数回まわってきます。
子どもの送り迎えだけをしていれば良いというものではありません。
渡米後1年くらいは新しい環境に戸惑っている中、これらの係等は負担に感じることもありました。

②家で親が課題、宿題のサポートをする必要がある

補習校は限られた授業時間で行われているので、家庭で親が一緒に宿題に取り組むなど、親のサポートが占める割合も大きいです。
小学部低学年の例だと、毎日教科書の音読する宿題が出ています。
子の年齢にもよりますが、親が管理しないと日々の宿題はこなせないと感じました。

駐在家庭が多く通う日本語補習校情報

フィラデルフィア補習校の場合は、駐在家庭と永住家庭のおおよその割合は、駐在家庭2/3、永住家庭1/3です。
昨今のコロナ禍も手伝い、駐在家庭は突然の異動や帰任で、とても転入・転出が多く、毎月のようにクラスのメンバーが変わります。

日本語補習校の申込み方法や入学手続きについて

補習校のホームページよりメールで問い合わせをし、申し込みをしました。
その後の入学手続きも全てメールでのやり取りでした。
補習校の事務局からは丁寧に指示があるので、特に難しいと感じる手続きはありませんでした。

入学書類には「両親以外の緊急連絡先」を記入する欄、「かかりつけの小児科医」を記入する欄がありました。

我が家の場合、渡米1か月後に補習校に入学しました。
まずは現地校に通いだして、次に少し落ち着いた段階で補習校に入学しようするとそれくらいのタイミングになると思います。
他の駐在家庭の方々も同じようなタイミングで入学されていました。
コロナ以前は、新入生のオリエンテーションが行われていました。
また、年度途中の編入であっても、校舎内を案内してもらえたようです。

授業内容

フィラデルフィア補習校の授業は、毎週土曜日に行われています。
朝9時に登校し、12時半に下校します。
ランチのためのお昼休憩はありません。

授業時間は、幼稚部は2コマ(1コマ40分)、小学部と中学部は4コマ(国語3コマ、算数1コマの計4コマ)で、高等部は5コマの授業時間数が確保されています。

小学部は国語の教科書と漢字がメインで進められて行きます。
理科や社会の授業時間を割けない分、国語の授業の中で「季節をかんじるものの絵と文を書く」など、理科や図画工作を含んだものにする等、授業の内容が工夫されています。

漢字では、その週に習った漢字で作文を作る宿題があり、少ない時間の中で漢字を定着させる良い作業だと思っています。
漢字のテストも毎週行われるので、子どもにとっても張り合いがあるようです。

算数は、授業で習った内容を、家でドリルを解くなどの復習、反復をして定着させます。
限られた時間で多くを学ぶので授業の進度は早いです。

生まれも育ちも米国で英語が母語の永住家庭のお子さんの場合、授業についていくのが難しいと感じることもあるようです。
そういったときには、日本語継承コースに編入するという選択肢があります。

行事

コロナ感染者数の増加により、2019年、2020年の学校行事は全て中止になりました。
卒業式もオンラインで行われました。

コロナ以前は入学式、卒業式、授業参観、のほか6月に運動会、11月に学芸会、1月には餅つき大会が行われていました。
また、保護者が主体のバザーも年2回行われていたようです。
2021年10月から対面授業が再開したので、行事も順次再開されていくと思います。

中庭の様子。幼稚部の授業が終わり子どもたちが校舎から中庭に出てきているところです。中庭も広々としていて休み時間には子どもたちが走り回っています。

教員とクラスの人数

教員の中には教員免許を持った方もいらっしゃいますが、保護者が教員を兼任していることがほとんどです。
クラス数は1学年1クラスで、1クラスの人数は10~20人と学年によって差があります。
基本的には1クラスにつき2人の教員(担任と支援員)が配置されます。
慢性的な教員不足に悩まされているようですが、待機児童が出ないように理事会で工夫がされています。

宿題

学年や教員の裁量により差はあるかと思いますが、宿題は多いと思います。
小学部低学年くらいですと、親が宿題の管理、サポートをしないと難しいと思います。
授業時間が限られている分、家でのサポートの割合も大きく占めます。

コロナ対策

昨今のコロナ感染者数の増加により、約1年半の間、授業はオンラインで行われていました。
授業以外の保護者会、理事会、学校説明会なども全てオンラインでした。
オンライン期間中の授業はコマ数が少なくなり、授業料も約半額になりました。

2021年10月より、対面授業が再開しましたが、「オンライン授業になったことにより退校し、対面授業が始まるにあたって復学する場合に限り、入学金は不要」という特例も施行されました。
校舎内はもちろん、外でもマスク着用は必須です。
子どもは校舎に入る前にサニタイザーで手を消毒します。
教室内でソーシャルディスタンスを確保するため、20人を超える学年は2クラスに分かれた例があります。
保護者は校舎内には入れないことになりました。
必要があって校舎内に入る場合にも、ワクチン接種が完了している証明(または陰性証明書)を提示することが求められます。

フィラデルフィア駐在で通った日本語補習校体験談まとめ

駐在家庭にとって、補習校は子に学びの機会を与えてくれることはもちろん、異国の慣れない環境で日々頑張っている者同志が繋がれる貴重な場だと思います。
駐在家庭同志だけでなく、永住家庭の方からのアドバイスも大変貴重です。
我が家は毎週補習校に通うのを心待ちにしていました。
これから通う方に少しでもこの体験レポートが役に立てば嬉しいです。