8年前、夫が韓国に駐在することが突然決まりました。
筆者は韓流ドラマにも、K-POPにも一切興味がなく、辛いものも全く受け付けなかったため、小2と1歳の子どもをかかえ、不安しかありませんでした。
とりあえず、引っ越し準備をしながら、急いで冬ソナ(当時ですらすでにクラシック)を見て、アニョハセヨ、と、カムサハムニダだけを習得し、大部分の負の気持ちの中に、多少の期待を抱きつつ、日本を発ちました。
この記事では、韓国駐在員妻の住まい・買い物・子育て事情について体験談をもとにご紹介します。
韓国駐在員の住まいや交通について
筆者の住む京畿道 水原市は、首都ソウルからバスなどで1時間ほどのところに位置し、周辺に韓国を代表する企業の工場などもある工業団地を中心とした街で、駐在日本人が数多く住んでいます。
韓国駐在員の住居事情
韓国には、日本でいうタワマンが林立しています。
筆者が最初に住んだのも19階建てのアパート(韓国ではこう呼びます)の14階でした。筆者はそれまで高層階に住んだことがなかったので、不安な韓国行きの中でも住居に関しては唯一楽しみにしており、六本木ヒルズみたいな家に住む自分の姿を勝手に妄想していました。
ところが、実際には、同じ高さのアパートが完全に視界を遮り、リビングから見えるのは、窓から乗り出して、枕の埃落としをする、向かいのアパートのおばさんの姿のみ。(よく考えたら高層なのに危ないっ。)
ただ、窓の外の景色にはがっかりしたものの、住まい、特にリビングが広々としていたことはよかったです。
子供たちがついのびのびと駆け回ってしまい、引っ越し翌日に下の家の方から苦情がきましたが。
また、韓国の冬は長く寒いのですが(最低気温がマイナス20度になるときも!)、オンドルという床暖房があり快適です。むしろ、関西の実家の方が寒いので、正直冬は帰省したくありません。
また、多くのアパートにはジムや、ゴルフ練習設備などが備えられているので、すっぴんのまま気軽に運動できます。
韓国の交通事情
韓国はバスでの移動が非常に便利です。たくさんの路線が張り巡らされており、乗り換えればどこにでも行けます。
また、乗り換え時にも、基本的には料金が別途加算されることはなく、安価です。
ただ、運転が荒いのが難点で、座席に座っていてもどこかにつかまっていないと危険です。間違っても吊革につかまらないで立って乗るのはお勧めしません。
筆者の息子は、韓国でバス初体験の際、キャスター付きのカバンと共に、バスの一番後ろまで通路を転がっていきました。
韓国のバスの運転手さんは、乗客の安全より利便性を重視するため、ある時は信号を無視し、またある時は急ブレーキと急発進で速さの限界に常に挑戦し続けているのです。(本当です。)
筆者の夫は会社が運行するバスで通勤するので、車がなくても生活していけるのですが、夫が無類の車好きのため、渡韓してすぐ車を購入しました。ほぼペーパードライバーだった筆者も、韓国人ドライバーのあおりに鍛えられ、教習車の後ろについたときには「チッ」と舌打ちできるくらいにまで成長しました。
どこで食材を買う?韓国駐在員の買い物事情
続いては、生活に欠かせない、日々のお買い物についてご紹介します。
食料品の買い物
筆者は、車で大型スーパーに行きまとめ買いをしていますが、ネットで注文して届けてもらうサービスを利用する人が多いと思います。宅配は、不備があった場合(日本と違い頻繁に起こる!)に、返品、返金を頼むのが面倒ですが、早くて便利です。
大型スーパーを利用する場合、韓国は単位量が多い&大きいので(コストコ並み!)歩いて持ち帰るのは大変かもしれません。また韓国の大型スーパーのほとんどで、第2、4日曜日が定休日です。
その場合でも、地元の小規模スーパーや、自然食品を取り扱う会員制のスーパーなど、日本人でも納得、安心して買い物できる場所はたくさんあります。
地域ごとに異なりますが、週1で近所に仮設市場ができます。
アパートの敷地内の遊歩道などにテントが立てられ、地元で取れた新鮮な野菜や、お惣菜の屋台などが並びます。
屋台で売られているのは、韓国食はもちろん、石窯のピザや、ナンとカレー、たこ焼きなどバラエティに富んでいて、筆者も楽しみにしています。
韓国と日本は位置的に近いためか、農産物自体は見慣れたものが多いですし、日本食材専門店はもちろんですが、大型スーパーの日本食コーナーにも、日本から輸入された味噌やしょうゆなどの取り扱いがあります。
豆腐もお米も手に入りますし、明太子や納豆も購入できます。(味は、、、ですが)他の国に比べればありがたい環境だと思います。
韓国駐在員の外食事情
大抵のお店で提供されるお料理は辛いので、特に子どもが小さいうちはなかなか気軽に外食はできませんでした。
ハンバーガーやフライドチキンですら辛いですし、日本食の店で出されたお味噌汁を混ぜたら沈殿していたトウガラシが混ざって赤くなったこともあります。
ちなみに、辛さを選べるお店では無理せず「0:赤ちゃんレベル」を選ぶのが正解です。0から5まであるんだから「1」なら大したことないだろうという無駄なあがきは命取り、何度も泣きを見たことがあります。
なぜわざわざ「赤ちゃんレベル」と、喧嘩を売るような文言を付記しているのかわかりませんが、辛さが苦手な日本人には「0」一択、赤子上等です。
とはいえっても、韓国では辛くないものはコクや深みがなくいまいち美味しくないという残念な現実があるので、筆者も辛さにも少しずつ挑戦しつつ、美味しいものを探求する毎日です。
韓国駐在員の子育て・教育事情
駐在の日本人は、日本人学校か、インターナショナルスクールに通うことが多いでしょう。未就学児の場合は、現地の保育園や英語幼稚園などに通わせる方もいらっしゃいます。日本人学校は、ソウル、釜山にあります。
インターナショナルスクールのメリット
筆者の子供たちが通うインターナショナルスクールは、Pre-KinderからGr12までの、様々な国を出身とする子供たちが、国際バカロレア(IB)カリキュラムに基づいて学ぶ、比較的小規模な学校です。小規模なおかげで先生の目がよく行き届き、アットホームな印象を受けます。
インターナショナルスクールの最大のメリットは、子供らに英語力が身についたことです。筆者の子供はふたりとも苦労なしにあっという間にバイリンガルになりました。(子供なりに苦労したかもしれませんが。)
筆者こそ、子供の先生と話をしないといけないと頑張って勉強したつもりですが、8年経っても目立った進歩なしです。トホホ。
ちなみに、長男は入学時アルファベットの読み書きから始めて、4年で英検1級に合格しました。(試験を受けた際、大人の中にひとり小学生が混じっていたので、二度見、三度見され、相当なプレッシャーを感じたそうです。)
その他のメリットとしては、主体的にリサーチをして自分なりにまとめたり、プレゼンテーションしたり、クラスメイトとディベートをしたりする機会があり、幼いときから自己表現する力を自然と身に付けることです。
このとき、どの先生も子供を誘導したり、否定したりしないで、しっかりひとりひとりを受け止めて評価してくれるのが、親としてはうれしく、心強く思いました。
また、小学生まではiPad、中学生以上はMacBookを使って学習をします。そのおかげで、生徒らは幼いころからデジタル機器の操作に長けており、タイピングも早いです。
2021年4月現在、コロナの感染拡大次第で対面授業がオンライン授業に切り替えられるという状況が依然続いていますが、生徒たちも比較的スムーズに移行し、適応しているように思います。
韓国駐在妻の生活まとめ
韓国在住の筆者が体験したリアル韓国の生活情報が、これから韓国へ駐在に行く方にとって少しでもお役に立てれば幸いです。
日本人ネットワークで情報交換をしたり、韓国人のお友達を作ったりしてみなさまの海外生活が実りあるものになりますよう願っております。