- 担当エリア
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オンライン(スペイン在住)
- 海外経験
イギリス:6ヶ月(駐在帯同)
アラブ首長国連邦:3年(駐在帯同)
スペイン:3年(駐在帯同)
エジプト:2年(駐在帯同)
タンザニア:2年(駐在帯同)
スペイン:7年(駐在帯同)
先生の海外生活の中で、一番大変だったエピソードは?そのときの対処法は?
大変だったことや危険な目にあった経験はいくつかあるのですが、一番強く印象に残っているのは、タンザニアのザンジバル島に住んでいた時に起こったことです。
当時、イスラム系組織「ウアムショ(Uamsho)」の勢力が増し始めていて、教会への放火や、外国人、特に白人に対する暴力などが頻繁に起こっていました。
そんな中、私の家の近くにはお店が一軒もなかったので、6㎞ほど離れたお店や市場のあるストーン・タウンに、いつもひとりで食料や必需品の買い出しに行っていました。
頻繁に訪れていたストーン・タウン内では、お店の人やいつも出くわす人達とのちょっとした会話を通し、私は地元の方と結構良い人間関係が築けていたと思います。
ある日、いつものように買い物をしていた時のことです。
お金を払っている時にお店の方が、「金曜礼拝が終わった後、何か起こるかもしれないからすぐにストーン・タウンから離れたほうがいいよ」と忠告してくれました。
お店を出て即座にタクシー乗り場へ向かったのですが、街の通りにはすでに大声で何かを叫んでいる人が多く集まっていて、乗り場への近道はふさがれていました。
遠回りになるけれどもと大通りに出ると、こちらでもすでに群衆が道路の真ん中でタイヤなどを燃やして、棒などを振り回していました。
「これは本当にマズいかも…」と思っていた時、ひとりの男性が私の方に向かって走ってきました。
いつも仲良くしていたタクシードライバーの友人の方でした。
片言の英語で「僕はOOO(ドライバーの名前)の友達。
ここ危ないから、逃げて」と心配そうな顔をして言ってくれました。
もう道はふさがれてしまっていてタクシー乗り場に行けないと説明したら、即座に別のドライバーに電話をしてくれ、5分後、迷路のような街中の道を走り抜けタクシーが来てくれました。
タクシーを待っている間は私を茂みの中に隠してガードしてくれていて、本当に感謝してもしきれない気持ちで一杯でした。
こちらは自分自身で対処したわけではないのですが、人とのつながりの大切さを実感したエピソードです。
また、どんな場合であっても、状況を冷静に把握しパニックに陥らないことはとても大切だと思います。
海外生活で妻として経験した、一番嬉しかったエピソードは何ですか?
ひとつのエピソードというわけではないのですが、夫がいつも私を信頼していてくれたことです。
どの国に住んでいた時も、私は夫の勤務中はひとりで行動することが多かったのですが、「どんな環境下でもどんなことがあっても、自力で切り抜けることができる」と、私の人格や力量を信頼してくれていました。
この夫の信頼のおかげで、強く生き抜く力が身についたと思い、感謝しています。